概要
私たちは、先人が残した貴重な埋蔵文化財(遺跡)を次の世代にしっかり伝えるために、調査と保存に取り組んでいます。まず、試掘や確認調査で遺跡の状態を把握し、その後、発掘調査を行います。遺跡の構造や出土した遺物は正確に測定し、その成果を報告書にまとめて公表します。
また、発掘調査は文化財保護法に基づき、地方公共団体以外が行う場合(文化財保護法第92条)もしっかりサポートし、適切な支援体制のもとで実施されるよう努めています。地方公共団体による調査(文化財保護法第99条)の場合にも、必要な専門スタッフを配置して、確実で正確な発掘が行われるよう支援しています。
私たちの仕事は、過去の歴史と文化を未来へつなぐ重要な役割を担っています。
業務の流れ
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- STEP1
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試掘・確認調査
工事予定地に、埋蔵文化財である遺構や遺物が埋まっているかどうかを調べるための事前調査です。調査の結果、遺構や遺物が見つかった場合には、より詳しい本格的な発掘調査(本調査)に進みます。
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- STEP2
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発掘調査(本調査)
発掘調査では、発見された住居跡や土器などの遺物を、詳しくかつ正確に記録します。土器が見つかった場所や状態は、計測や写真撮影を行い、しっかり保存します。
また、住居跡の形や土器の出土状況は図面に描いて記録し、その後で遺物を慎重に取り上げます。
調査が終わった後は、ドローンなどを使って空撮を行い、発掘調査を完了します。必要に応じて発掘した場所を元に戻す作業(埋め戻し)も行います。- 調査データの作成(基準点測量、遺構・遺物の図面作成とその台帳作成)
- 空撮
- 自然科学分析
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- STEP3
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整理作業
整理作業の初めの段階(一次整理)では、発掘で出てきた遺物を水で洗い、汚れを落とします。
その後、遺物に注記(遺跡名や記号付け)をして、割れた部分をつなぎ合わせたり、元の形になるように復元したりします。- 水洗い・乾燥
- 注記
- 接合・復元
二次整理
二次整理では、出土した遺物の大きさや形を正確に測定します。必要に応じて、拓本(遺物の表面の模様や文字を紙などに写し取る方法)をとります。さらに、手書きの図面をデジタルでなぞる作業(デジタルトレース)を行い、詳細な記録を作ります。最後に、遺物の写真も撮影して保存します。
- 実測
- 拓本
- デジタルトレース、写真
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- STEP4
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発掘調査報告書
発掘調査で得られた成果や記録をまとめて1冊の報告書にし、その内容を広く公開・刊行します。
- 報告書の版組、編集、校正確認
- 印刷製本
将来のための保存
遺跡は一度壊されると、元の状態に戻すことはできません。しかし、発掘調査報告書によって遺跡の情報をしっかり記録し、未来へ残すことができます。この記録をもとに、遺跡の復元も可能です。
また、発掘で保存された遺物は、将来、化学分析などの技術が進歩することで、新たな発見や感動を生み出すかもしれません。